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こどもQ&A
Q.目隠しでなぜ飛べるの?
Q.2台のオートバイ、なぜぶつからないの?
Q.動物はなぜ言うことをきくの?
Q.ゾウと仲良くなる方法は?
Q.大きなテントどう建てるの?
Q.ブランコなぜ始めたの?
Q.司会のせりふは決まっているの?
Q.ボール内を走って目が回らないの?
Q.飛ぶ人と受ける人どっちが楽しいの?
Q.キリンさん眠そうちゃんと寝てるの?
Q.空中ブランコの障子張りだれが
  空中ブランコは見ているだけでどきどきしてくるよ。目隠ししているのに、なぜうまく飛べるの?  
 
  目隠し飛行に限らず、空中ブランコはタイミングが命。何度も練習を繰り返して、踏み切りやブランコから手を離すタイミングを体に染み込ませるから、目隠しでもどこにブランコや受け手の手があるか分かるんだよ。空中ブランコは飛ぶ人一人の力ではできない。台から僕の背中を押し出す人や空中でキャッチする人が協力してくれるからこそ成功するんだ。
僕は目隠し飛行を始めて2年になるけど、今でも準備をしている時に「失敗したらどうしよう」と考えてしまい、飛ぶのが怖いんだ。でも、なにより仲間を信頼しているから飛び出せるんだ。
 
 

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  オートバイショーで、あんなにぐるぐる回っていたら周りがよく見えないと思うんだけど、なんで2台がぶつからないの?  
 
  観客席からだと不思議に思えるかもしれないけれど、僕らはお客さんの顔まで見えているんだ。2台で運転する時は、できるだけ遠くを見て、お互いのオートバイを視界の隅から外さないように距離を調節するから、ぶつからないんだよ。
もちろん、初めはそんな余裕はなかった。練習はまず自転車でするんだけど、こつをつかむのに1カ月ぐらいかかった。オートバイに乗れるようになっても、それまでとはけた違いのスピードに慣れるのにまた一苦労。それだけに、初めて成功してお客さんから大きな拍手をもらった時は感激したなぁ。
 
 

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  トラやライオンはどうして、きちんと人間の言うことを聞くの?  
 
  私たちと動物たちは、とても仲良しです。でも言葉が通じないので、芸を教えるには身ぶり、手ぶりを使います。伝わらなかったら何度も何度も繰り返し、よくできたら声を掛け、餌をあげます。これを根気よく1年半くらい繰り返してやっと芸が身に付くのです。身ぶり手ぶり、餌、声、そして辛抱強く待つ気持ち。この4つが欠かせません。
元気にショーを終えた動物を見るのは幸せです。逆につらいのは病気になったとき。「助けて」と目で訴えるので、自分の子どもが病気になったように悲しくなります。
人を怖がったり、シャイだったり…。いろいろな猛獣たちがいますが、「私はあなたが好き」という気持ちを見せれば、必ず仲良くなれますよ。
 
 

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  ゾウさんに乗ってみたい。どうしたらゾウさんと仲良くなれますか?  
 
 

ゾウと仲良くなるために一番大切なのは、いつも一緒に過ごすこと。僕は毎日ゾウの世話をしているけれど、一口に世話といっても内容はさまざま。まずは食事。一日にアルファルファという干し草やリンゴ、ニンジンなどの食べ物が100キロ、水が200リットルも必要なんだ。その用意だけでも大変だよ。一緒に遊んだり、体を洗ってあげたりするのも大切な世話。ゾウの故郷のタイでは、よく川で水浴びをした。一緒に寝ることもね。
ゾウは3歳から人間と暮らしていて、人間の言葉が分かるんだ。ただし調教にはタイ語を使っているので、仲良くなるにはタイ語を勉強しないといけないね(笑)。時にはけんかをすることもある。力がとても強いので、油断はできないよ。でも、ゾウはとっても優しい目をしているんだ。サーカスに来て、僕の大好きなゾウを見て、触れ合ってね。

 
 

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  真っ赤なテントが印象にのこりました。あんな大きなテントをどうやって建てているの?  
 
 

テントを建てるには、団員やアルバイト約70人を使い、4日かかります。初日は高さ18メートルほどの6本の鉄柱を建て、2日目にはテント張り。3、4日目に客席やステージをつくります。鉄柱にはモーターが取り付けてあり、ワイヤを引っ張り上げるような仕掛けでテントを持ち上げていきます。その時が一番神経を使います。半径20メートル、重さ1トンの扇形テント6枚を使うため、風があると人にぶつかって大事故になるからです。テントの横をナイロンのようなもので引っ張っているのに気付きましたか。120本あって、1本で10トンまで耐えられます。これがテントを支える1番重要な部分で、風がある時は、予備のものを取り付けます。沖縄公演の時、風速30メートルでも耐えた丈夫な構造だけど、やっぱり台風はこわいですね。毎日天気予報が気になって仕方がないです。

 
 

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  空中ブランコの人たちは、あんなにドキドキすることをどうして始めたの。僕もブランコは大好きだけど、できるかなあ。  
 
 

僕は空中ブランコの飛び手です。1988年ソウル五輪で清風高校の西川、池谷両選手が大活躍するのを見て、中学の器械体操部に入りました。でも練習は厳しいし、演技でも採点ばかり気になって、大好きな体操を楽しめなかったなあ。木下大サーカスの大阪公演で、団員が気持ちよさそうに空中ブランコを飛んでいるのを見て、すぐ入団しました。「ここならアクロバットを楽しめそうだ」ってね。18歳の時です。デビューには約1年かかりました。一生懸命練習して、毎日全身が筋肉痛だったけど、拍手を夢見て頑張りました。実は今でもすごく怖いんだよ。でも、空をフワリと飛ぶのは最高の気分。ブランコが好きなら毎日練習してね。いつか一緒に空を飛ぼうよ。

 
 

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  司会のお姉さんは、上手に会場を盛り上げていたよ。すごく堂々としていたけど、決まったせりふだけしゃべっているのかな?  
 
 

私が司会者です。あくまでも裏方だけど、常に会場の熱気を肌で感じられて、面白い仕事だよ。ショーの進行上、せりふはもちろんあるけど、めりはりを付けるにはアドリブが必要なの。会場はサーカスを初めて見る人がほとんど。私も「初めて見た時の新鮮な気持ちを忘れまい」と心掛けているの。だから、感動や驚きが素直にアドリブになるのね。数年前の、カンガルーと人間のボクシングショーでの話。入場して来たカンガルーがリングにつまずき、動かなくなったの。会場が静まり返る中、私は思わず「おっと、早くもダウン!」やんやの大受けだったんです。会場も、ちょっとしたハプニングや、遊び心ある進行を求めているのね。音楽に合わせて踊る赤ちゃん、身を乗り出して歓声を送る子供たち…。ステージからは観客席がよく見えます。沸いているのを見ると、私は本当にうれしくなり、一人ひとりの顔を見詰めて話し掛けるの。今度目が合ったら手を振ってね。

 
 

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  オートバイに乗ったお兄さんがボールの中をすごいスピードで走っていたよ。目が回らないのかなあ?  
 
 

最初は自転車で練習します。横回りができるようになったら、オートバイに乗ります。斜め回り、真上回りをマスターするのに半年かかったよ。目が回らないようにするには、先の方を見ること。目の前をみたらだめなんだ。2台同時に走る芸ではもう1台を見ないようにします。速さは時速40キロ。これ以上速かったらぼくでも目が回るし、遅かったら落ちます。メーターはないからエンジン音で判断するんだよ。ボールの下に人がいたのに気付いたかな。彼は手を挙げて横回り、真上回りの指示を出しているんだ。ぼくは常に緊張感を忘れないようにしています。それにはみんなの声援が必要なんだ。応援よろしくね。

 
 

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  空中ブランコの人たちは、筋肉モリモリでかっこよかったなあ。飛ぶ人と受ける人がいるけど、どっちが楽しいの?  
 
 

僕は空中ブランコの受け手。以前は飛び手でした。さっそうと飛び、全身に歓声を浴びる快感は忘れられないなあ。でも、飛び手は落下すると大けがをすることがあり、実は恐怖心でいっぱい。受け手に向かってまっすぐ、目をつぶるようにして飛び出していったものです。「絶対つかんでくれる」という信頼感だけを支えにね。その意味で「やりがいは断然受け手の方がある」と言えるよ。受け手になって3年。「飛び手はみんなオレを頼っている」というプレッシャーを体中で楽しんでいるんだよ。「絶対落とさない。思い切って飛んで来い」という意気込みで頑張っています。最近、「今日もありがとう。ナイスキャッチ」と言われるようになったんだ。最高にうれしくってね。豪快なキャッチをまた見に来てね。

 
 

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  キリンさんはいつも眠たそうな目をしているね。ちゃんと寝ているのかなあ?  
 
 

わたしキリンのマサイ。年齢は6歳。鈴子ちゃんと4つしか変わらないけど、人間でいうと20歳代のお年ごろ。眠たそうな目をしてても、元気もりもりよ。実は、わたしはほとんど寝てないの。睡眠時間は1日1時間くらい。今はまわりに人間がいるから警戒しているの。首を立てたまま足を曲げて、休憩するくらい。お行儀がいいでしょう。でも、たまには自慢の長い首を寝かせるのよ。でもそうすると立つのが大変。1、2の3と反動をつけないと上がらないからね。歩いているのが一番楽な姿勢なの。最近暑いわね。わたしはイギリスの動物園で生まれたからアフリカの暑さは知らないの。一緒にオリに住むシマウマたちと「アツーイ!」と文句ばかり言っているの。でもみんなが見にきてくれるから頑張るよ。応援よろしくね。

 
 

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空中ブランコで飛び手が見事に天井からつるした障子紙を突き破って飛んだよ。あの紙を張り替えているのは、一体だれなのかなあ?

 
 
 

紙破り飛行は僕の十八番。金具に張った障子紙は、縦1.5メートル、横は肩幅より少し広い程度。その小さな紙を突き破って飛ぶんだから、超難易度なんだよ。団員にとって一番大切なのは道具を大事に扱う心。僕らは入団と同時に、先輩から「道具を粗末にする人間は上達しない」とたたき込まれる。「道具をいかに扱うかで芸に対する熱意が分かる」とね。サーカスには裏方がたくさん居ます。道具を片付けたり修理をしたりと、なくてはならない人たちです。でも、自分が使う道具は極力自分で扱うんだ。「他人には触らせたくない」という“意地”もあるんだ。もう分かったよね?そう、紙を張り替えるのは、ほかならぬ僕です。天候などによって張りの強さは微妙に調節するんだ。例えば、雨の日は、紙が水分を吸って重くなり、破れにくい。だからピンと張って、一気に破っちゃう。張り替え続けてもう5年。一体、何枚破っては張っただろう。僕にとっては、気持ちを高ぶらせていくための開演前の大事なセレモニーでもあるんだよ。使い込んだ道具は大切な宝物。みんなにもそんな“一品”があるかな?

 
 
※1998年〜2006年までに山陽新聞、新潟日報、中日新聞に掲載された記事を抜粋したものです
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